仕口について、その一(ほぞ)

 古い中国の言葉に「臍を噛む」というものがありますが、この「臍(ホゾ)」と木材加工のホゾとは別物です。 「臍を噛む」 の「臍」は「おへそ」のことです。木工で言うところのホゾ加工とは、複数の部材を組み合わせる際に、それぞれに凹凸の加工を施し差し込むことで、強い接合を得ることができる加工のことです。

 釘やネジやダボを使用しない加工法としてよく用いる方法です。出っ張ってる方をオス、へこんでいる方をメスと呼びます。

ダイニングテーブルの各部材(天板以外)

 加工する位置と、はめ合いの固さがとても重要なので、正確に墨付け(位置だし)をして、慎重に加工します。緩いとグラグラ、キツ過ぎると木が割れることもあります。理想は、ハンマーで叩いて入るくらいの適度なキツさです。それも柔らかい木と堅い木によって変えます。

 ホゾ先は、角をとって穴に入り易くすると同時に、先端で接着剤を穴の奥にしごいてしまわないようにします。

小根付きホゾの接着

 オスとメスの両側に薄く接着剤を塗り伸ばし、しっかりと叩き込んだのちに、クランプ等で数時間圧締して接着剤が固まるのを待ちます。この様な仕口で組まれた家具は、すこぶる頑丈でそうそう壊れるものではありません。

ミルクカゼイン接着剤で家具を作る

 ミルクカゼイン接着剤は強アルカリ性のため、タンニンを含む樹種は、黒く変色します。また、木材の硬さが増すと木破率が大きく低下するので、軟らかめの木材の方が使用に適しています。(木破率とは、接着した木材に力を加えた時に、接着面ではなく木材自体が破壊する率)

 接着力は、一般的な白の木工用ボンドと同程度なので、家具作りには問題ないと言えます。

ミルクカゼイン・消石灰・重曹・硼砂の粉末と、適量の冷水を素早く溶き、ねっとりするのを待つ。一時間程度待ち、ねっとりして来たら双方の接着面に十分接着剤を塗布し、ハタガネ等でしっかり圧締します。塗布後の手順は、ほかの一般的な接着剤と同様です。

写真の箱いすentoの素材はシナです。シナも接着剤の触れた箇所は茶色に変色するので、注意しながらの作業です。

家具塗装について、その一(塗料の種類)

家具の塗装にもいろいろな種類がありますが、当店ではおもに、オイルを使った塗装と、ワックスを使った塗装を施しています。

当店で扱っているオイルは大まかに三種類に分けることができます。

◆耐水性、耐熱性、耐摩耗性に優れたウレタンオイル

◆施工は容易ですが、耐水、耐熱、耐摩耗性がウレタン程ではない一般的なオイル

◆天然原料由来で、人体への健康被害などに配慮したオーガニックなオイル

家具の材質や使う場所、使い方などを考慮し、適した塗料を選んで塗装しています。